UAE(子宮動脈塞栓術)
について
子宮動脈塞栓用のカテーテルは、直径約1.3mm・長さ60cmの細長いチューブを使用します。
これを右足の付け根から挿入して、X線で見ながら筋腫へ血液を送っている子宮動脈まで進めます(図参照)。
カテーテルの中にゼリー状の詰めものを流すことで、子宮筋腫は栄養を絶たれてしぼみ始めますが、正常な部分の血液の流れは保たれます。
※当院では塞栓物質にゼラチンスポンジを使用しています。ゼラチンスポンジは日数が経つと体内で吸収されて消失します。
こんなお悩みはありませんか?
- よく貧血になる
- 経血の量が多くなったり、血のかたまりが混じる
- 月経時以外に出血がある
- お腹が常に重い感じ、下腹部が張る
- 下腹部や腰に痛みがある
- 尿意を感じることが頻繁になる
このような症状は、子宮筋腫のサインかもしれません。
子宮筋腫とはどのようなものか
腫瘍にも色んな種類があり、癌のように命にかかわるようなものから、良性のものまで様々です。その腫瘍の中でも、「子宮筋腫」は子宮にできるコブのようなものであり、良性の腫瘍です。
症状の特長は、生理の出血量が多かったり、生理痛がひどい、トイレが近い、お腹が膨らんで辛いなどが挙げられます。
腫瘍が小さい場合、自覚症状がないこともありますが、実際には成人女性の4人に1人が子宮筋腫を持っているとも言われています。
多くの場合、経過観察で問題はなく、一般的には閉経すると子宮筋腫が体に悪影響を与えることはほとんどないとされています。
UAE(子宮動脈塞栓術)の副作用及び合併症について
- ・Ⅹ線による極めて少量の放射線被曝が発生します。
- ・ヨード造影剤を投与した際、発疹・痒み・嘔吐感などが生じる可能性があります。
- ・術後の安静解除時に肺塞栓症の可能性があります。予防として下肢に装具をつけます。
- ・UAEの術後、骨盤の鈍痛・発熱が生じることもあります。当院では、モルヒネを使った、鎮痛処置をつかいます。
- ・高齢の方の場合、卵巣機能低下や無月経になる確率が高まります。
- ・アッシャーマン症候群のリスクがあります(子宮内膜癒着による子宮性不妊の原因)。
- ・子宮阻血、二次性感染症(子宮内膜炎)により子宮全摘術の症例が報告されています。