田頭先生にインタビューを
行いました
UAEを専門とした施設を、なぜ開業しようと思ったのですか?
UAEを始めたきっかけ
僕は放射線科専門医で、大学病院を中心に主にガンを対象とするカテーテルによる血管内治療の経験を積んできました。
岡山大学病院勤務中の2001年頃に、婦人科からカテーテルで子宮筋腫の治療をしてほしいという依頼が放射線科にありまして、それをきっかけに岡山大学でカテーテルを使った子宮筋腫の治療(子宮動脈塞栓術=UAE)を始めました。
UAEは新しい治療法にもかかわらず、それまで放射線科専門医が沢山行ってきたカテーテル技術と経験をそのまま応用して行うことが出来るので、子宮筋腫のための専用の器具など特に新しい機材を必要とせず、すぐに始められました。
これからも、もっと沢山の人が治療を受けられるように
開腹や切開をせず、子宮機能を温存できるUAEという治療法は画期的で、当時は沢山の大学病院や大病院でも行われるようになっていました。
その治療効果について、画像診断をする僕達放射線科医としても、UAEをした後で子宮筋腫が明らかに小さくなっていくのをみて、UAEが子宮筋腫に高い効果があるというのを画像を通して実感していました。
そして、UAEの依頼元である婦人科医とは、MRI画像を中心に共同で治療効果を検討して行きながら、婦人科診察室では患者さんから「非常に効果があって喜んでいる」と治療効果が非常に良いという感想を聞き、これはいい治療なんだと確信しました。
その後、UAEが高度先進医療から保険適用の治療に向かうよう仕事をしてきましたが、なかなかそうはなりませんでした。そうなると、大学病院ではこの治療を続けるのが難しくなっていきます。
しかし患者さんには非常に喜んでいただいており、この治療がなくなるということが勿体無いと思いました。
もっと沢山の人が引き続きUAE治療が受けられるようにと考え、専門施設を開設するに至りました。
患者さんへのメッセージをお願いします。
確かな経験と技術により、信頼できる治療を提供いたします
カテーテルの使い方は良性でも悪性でも同じ要領で行いますが、塞栓物質の入れ具合には工夫が必要です。塞栓術はガンの治療で行われることが多く、僕もカテーテルを使ったガンの治療を多くしていました。
子宮筋腫の塞栓術ではガンを治療するのと同じような塞栓物質の入れ方をすると強すぎる場合があります。子宮という臓器への影響を考えると塞栓は緩い方が子宮に優しいです。しかし塞栓が緩すぎると塞栓不足で筋腫の血流が残る場合もあります。緩すぎてもいけないのです。塞栓物質を入れるさじ加減によって、子宮の働きを損なわないで、なおかつ子宮筋腫・腺筋症への効果的な治療ができるようにいつも配慮しています。
UAE後の無月経や感染症というリスクは多くはないですがゼロでもありません。筋腫の状態と患者さんの症状や将来の妊娠のご希望などを加味して、塞栓の強さの加減を調節しながらUAEをしています。自分の経験からの私見ですが、さじ加減がわかるまでには100回くらいのUAEをして、その結果をしっかり検証するくらいの実施回数経験が必要と思っています。
医師がお話しし、安心できる治療を提供いたします
UAEとはどんなものか、自分に適しているのだろうかということを不安に思って来院される方が大半ですので、ご相談に来られた方みなさんにMRI画像をお見せしながら詳しく説明し、実際にUAEを施術する僕から直接話します。
ご自分の状態をよく分かっていただいて、ご本人がどのように日常生活で困っていて、これからどんな希望を持たれているのかを聞くことで、さらにUAE治療のさじ加減に反映させることができるようになっています。もちろん術後の画像も放射線科医の僕が責任を持って診断して患者さんに説明しています。
大学病院では婦人科が窓口だったので患者さんと直接対話することはあまりありませんでしたが、ご本人の声を聞き、表情をみることでその満足度の高さを実感しています。その結果を手技にもフィードバックさせることが、よりUAEの精度を高めてくれていると思います。