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切らない選択 切らない選択 子宮動脈塞栓術(UAE)の実際 子宮動脈塞栓術(UAE)の実際 適応範囲について 適応範囲について

切らない選択

 
子宮筋腫であることがわかり、手術の必要性を説明されたあなた
「全摘ですから当然生理もなくなります」
「もう子供いらないんならとりましょう」
「子宮自体は女性ホルモンとは無関係ですよ」
「子宮がなくても女であることに変わりはないですよ」
という言葉に傷つき、
混乱した心の中で
「体の中に要らない臓器なんてあるんだろうか?」
「子宮は単に女性の象徴というだけ?」
「傷んだ野菜や果物を切り取るのとは違う」
「体にメスを入れずにすむ方法はないんだろうか?」
という疑問をもったなら
あるいは,未婚で具体的な妊娠の希望がないにしても
「全摘で妊娠の可能性がなくなるのは耐えられない」
「すぐさま核出術を考えるほど差し迫ってはいない」
「核出後の妊娠や帝王切開になる可能性にも不安がある」
のなら、
子宮筋腫に対する新しい治療法「子宮動脈塞栓療法」を選択肢の
一つとして考慮に入れてみませんか?

子宮動脈塞栓術(UAE)の実際

子宮動脈塞栓用のカテーテルは直径約1.3mm、長さ60cmの細長いチューブです。
これを右足の付け根から挿入してX線で見ながら筋腫へ血液を送っている子宮動脈まで進めます。(図)
カテーテルの中にゼリー状の詰めものを流すことで子宮筋腫は栄養を絶たれてしぼみ始めます。正常な部分の血液の流れは保たれます。
手技に要する時間は30分から1時間程度です。
終了後は3時間安静にし、その後は歩行も食事もできます。
いっさい切開しませんから、UAE後に体に残るのは右足付け根の注射痕のみです。
■UAEの効果
筋腫の体積は6ヶ月で50%程度、一年で30%程度にまで縮小し、月経に伴う症状はほとんどの方で改善します。
■UAEの利点
短期間の入院後、早期に普通の生活に戻れます。
卵巣への影響はまれですので生理は順調に起こりますが、量は少なくなります。
■多発性筋腫の症例
44歳、症状は過多月経。UAE前後の造影MRI画像。
UAE前 UAE一年後
UAE前   UAE一年後
UAEによって血流を失った筋腫の体積は十分の一まで縮小し、正常子宮部分の血流は良好に保たれています。過多月経はUAE後の翌月経時から改善しました。

適応範囲につい

私たちは子宮肉腫の可能性が否定できれば、大部分の子宮筋腫は「子宮動脈塞栓術-UAE-」の良い適応であると考えていますが、
特に次のような場合に優れた選択肢・可能な選択肢であると考えています。
■とにかく切りたくない方
UAEはいわゆる外科手術ではありません。お腹を切る必要はまったくありません。
■子宮を温存したい方
子宮は女性の象徴とも言うべき大切な臓器。たとえ出産という重要な役割が終了したとしても
温存できるものならしたいのは当然です。膣式手術はお腹を切らない摘出方法ですが、子宮をすべて摘出することに変わりはありません。
■粘膜下筋腫
子宮の内側に突出する筋腫です。過多月経を起こすことが多いのが特徴です。
■頚部筋腫
子宮の下部(子宮頚部)に発生するタイプで,摘出手術が難航したり尿管・膀胱・直腸を傷つけたりすることがあります。
UAEは筋腫の発生部位に関係なく効果が期待できます。
■手術既往のある方
虫垂炎・卵巣の手術・筋腫核出術・帝王切開などの手術後の癒着を予想することはできません。
摘出手術では思わぬ癒着により難航する場合があります。尿管・膀胱・直腸を傷つけたりすることもあります。
■全身合併症を有する場合
手術そのものより麻酔や術後管理にリスクが考えられます。UAEでは全身麻酔は行いませんので、そのリスクを心配する必要がありません。術後も全身状態はきわめて安定しています。
■巨大な筋腫
おへそを超えるような大きな筋腫でも効果が期待できます。ある程度縮小すれば圧迫症状が改善し
ます。
■変性した筋腫
出血や内部壊死により高度の変性が起こっているタイプでも効果が期待できます。
■尿症状など圧迫症状でお困りの方
増大しつつある筋腫がわずかに縮小した時点から症状の改善が期待できます。
尿閉(一時的に尿が出ない)が起こるほどひどい場合でも改善が期待できます。
■筋腫と症状との関係が不明な方
症状が典型的でなく、摘出手術では確実な症状の改善が確約できない場合、医療を行う
側も手術に消極的です。UAEなら効果があるというわけではありませんが、やり直しのきかない摘出術とは違うので安心です。
■宗教上の理由
輸血の可能性はまずありません。
■子宮腺筋症
最近の報告では子宮腺筋症に対しても一定の効果が報告されています。ただし、塞栓の程度をどこまで行うかの判断が難しい場合があります。
■未婚の方
たとえ妊娠の希望がなくても子宮喪失に対する抵抗があるのは当然です。全摘を行えば当然妊娠の可能性はなくなります。妊娠の希望が強ければ、核出術が行われることが多いのですが、具体的な妊娠予定がある状況でなければ手術にふみきれないものです。UAEで当面の症状を改善し、筋腫が縮小して妊娠が可能になることが期待できます。妊娠の必要が生じた時、(死んだ)筋腫が妊娠の妨げになる可能性があれば、その時点で核出術を考えることができます。その場合、死んだ筋腫からの出血は少ないことが期待できるので手術を容易にすることにつながります。
■多発性筋腫
ぶどうの房状の筋腫で核出術が困難な場合,UAEではそれぞれの筋腫に対する効果が期待でき
ます。
■将来の妊娠をご希望の方
UAE後の妊娠例の報告は確実に増加しています。全摘後の妊娠は絶対に望めませんが、UAEにより妊娠の可能性を残すことができます。
UAEは妊娠希望の方にこそ行われるべき治療法であると私たちは考えています。
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